ゲノムセンターについて
ゲノムセンターの業務
- がんゲノム外来
- がんゲノム医療連携病院としてがん遺伝子パネル検査の提供
- がん予防・遺伝カウンセリング外来
- 遺伝性腫瘍に関する遺伝学的検査等の診療と遺伝カウンセリングの提供
- リスク低減手術等の医療情報提供
- 遺伝カウンセラー外来
- 遺伝医療に関する相談支援
- 遺伝カウンセリングの提供
がんゲノム外来/がん遺伝子パネル検査
がん遺伝子パネル検査の対象となる方
- 下記のいずれかの診断を受けた方
- 次の治療法を探しいている固形癌の方
- 原発不明がんの方
- 標準的な治療法が確立されていない希少がんの方
- 検査に使用可能な検体のある方(がん組織検体。無い場合は血液検体。)
- 検査結果をもとに化学療法を実施できる状態であると医師に判断された方
- がんゲノム外来の予約
- かかりつけ医療機関からの「紹介予約」が必要です。
- 患者さんから直接の予約申し込みは受け付けておりません。
- がんゲノム外来初診:検査説明・ご希望の確認
- 検査提出:結果報告までに6~7週間程度かかります。
- がんゲノム外来再診:結果報告
費用について
当院のがん遺伝子パネル検査は保険診療で提供しており、全国一律の検査料金設定です。
<2024年4月現在>
- 検査料金440,000円(3割負担の場合132,000円)
- 結果報告料金120,000円(3割負担の場合36,000円)
- 結果報告時遺伝性腫瘍カウンセリング加算料金10,000円(3割負担の場合3,000円)
- 上記料金には、各受診に必要な受診料が含まれておりませんので別途必要です。
- 「高額療養費制度」を適用できる検査であり、実際のお支払いは年収や年齢に応じて定められた自己負担額で調整されます。検査結果報告までに約6~7週間要しますので、検査料金と結果報告料金等は必ず月をまたいでお支払いいただくことになります。
- がんゲノム外来受診後、スムーズな検査を実施するため、事前に当院での病理診断を行っています。検査実施の有無にかかわらず病理診断費用が必要になる場合があります。
紹介・予約
かかりつけ医療機関から栃木県立がんセンターへ、下記に従ってご紹介をお願いします。
(ご担当の先生はお読みください)
「がんゲノム外来へのご紹介について」
「がんゲノム外来へのご紹介について」
地域連携チームへ診療情報提供書をFAXのうえ、お電話ください。
外来予約をおとりします。
地域連携チーム連絡先
- 電話番号:028-611-5503(直通)
- FAX番号:028-611-5499(直通)
がんゲノム外来日
- 担当医:仲地耕平
- 外来日:毎週 火曜日 午後
- <受診前に発送する書類・検体>
- 病理診断報告書(様式自由;コピー可)
- がん遺伝子パネル検査病理組織検体情報(指定様式;ダウンロード)
- 病理組織検体(病理組織検体が無い場合は、その旨を診療情報提供書に記載お願い致します。組織検体の品質管理の観点から、組織検体は『原則としてブロックでの貸し出し』を何卒よろしくお願い致します。お借りした検体の量が少ない場合、検査のために全て使用し返却できない場合がございますのでご了承ください。ブロックの貸し出しが困難で薄切標本を提出する場合、徐々に品質が低下し検査結果に影響します。検体は受診日の3日前までに到着するように書類と一緒にご発送ください。)
書類・検体の宛先
〒320-0834 栃木県宇都宮市陽南4-9-13
栃木県立がんセンター 地域連携チーム 「がんゲノム外来 担当医」 宛 - 診療情報提供書(紹介状)(様式自由)
適宜、検査データ等の資料(様式自由) - 症例基本情報(指定様式;ダウンロード)
<患者さんに受診当日ご持参いただく書類>
がんゲノム外来受診日は、原則ご家族同席でお願いいたします。
初診手続きや問診等があるため、予約時間の1時間前に「初診受付」にお越しください。
がん予防・遺伝カウンセリング外来
がん予防のための診療
がんは最も一般的な病気で、日本人の2人に1人はがんを発症し、3人に1人はがんで亡くなっています。最近では医学の進歩によりがんを早期に発見し、適切な治療で完治できるようになっています。
がん予防・遺伝カウンセリング外来はがんになりやすい遺伝的な体質に関する相談と遺伝子診断を行う外来です。あなたやあなたの両親、兄弟等ががんにかかっていて遺伝が心配なときなどに、がん予防・遺伝カウンセリング外来を受診されてみてはいかがでしょう。
遺伝継承するがんの特徴
遺伝性のがんが疑われて遺伝子検査が行われるケースには次のような特徴があります。
遺伝カウンセリングについて
がん予防・遺伝カウンセリング外来について
<外来日/担当医>
第1・第3・第5水曜日 / 菅野康吉(非常勤)
毎週火曜日 午前 / 星本相淳(非常勤)
<料金>
通常の初診料、再診料。また、ご希望の検査内容によっては『自費診療(全額自己負担)』となる場合があります。
<その他>
初診の方は手続きや問診等があるため、予約時間の約1時間前に「初診受付」にお越しください。
- 〒320-0834 栃木県宇都宮市陽南4-9-13 栃木県立がんセンター ゲノムセンター受付
- 電話 : 028-611-5480(直通)
遺伝カウンセラー外来/臨床遺伝科
赤間 孝典 (あかま よしのり)
- 認定遺伝カウンセラー
認定遺伝カウンセラーとは、医療技術を提供したり研究を行う立場とは一線を画し、独立した立場から患者さんなどを援助する、遺伝カウンセリングの提供に特化した専門職です。
患者さんだけでなく、健康には問題が無く不安や知りたい事などを抱えるご家族やご親戚、一般の方も相談いただけます。
ご相談の例
- 家族にがん患者が多いので心配
- 情報や気持ちを整理したい
- 子ども達について考え始めたい
遺伝カウンセラー外来について
外来:月曜日、木曜日、金曜日 ほか
遺伝カウンセリング時間:1時間程度
- 〒320-0834 栃木県宇都宮市陽南4-9-13 栃木県立がんセンター ゲノムセンター受付
- 電話 : 028-611-5480(直通)
がんゲノム医療について
がんゲノム医療
がんは、細胞に遺伝子変異が後天的に積み重なって起こる病気と考えられています。がんゲノム医療は、がん遺伝子パネル検査によって患者さん一人ひとりのがんに起きた遺伝子の異常を明らかにし、より適した治療薬を見つける目的の検査です。
がんゲノム医療に関する詳しい情報は、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)が公開している一般の方向けのホームページなどにもあります。
がん遺伝子パネル検査とは
主にがんの組織を用いて、がんに関連する多数の遺伝子を同時に調べることで、がん細胞にどのような遺伝子変異が生じているかを明らかにします。異常が認められた遺伝子に対して有効な薬(分子標的薬)があるかどうかを検討し、最適と考えられる薬剤の候補を選択します。異常が認められた遺伝子の種類と薬剤の選択については連携する中核拠点病院(国立がん研究センター中央病院)との間で開催されるエキスパートパネルで検討し、最終的な治療方針は主治医が患者さんと相談して決定します。
検査でわかること
- がんのもつ遺伝子の特徴(起きている遺伝子変異の種類)がわかります。
- がんで認められた遺伝子変異に対して治療効果が期待できる薬剤があるかどうかがわかります。
- 治療効果の期待できる薬剤が実際に投与可能かどうか、参加可能な治験等があるかどうかがわかります。
- がんを発症した原因が生まれつきの遺伝子変異が原因で発症する「遺伝性腫瘍」であることが分かることがあります。その場合はがん予防・遺伝カウンセリング外来を受診していただいて遺伝カウンセリングを受けられます。
検査の限界
- 検査に用いた検体の状態により検査が実施できない場合、または検査を実施したものの信頼できる結果が得られない場合があります。
- がんの治療に有用な遺伝子の異常に関する情報が何も得られない場合があります。
- 遺伝子変異が見つかっても、その変異に対応する治療薬が存在しない場合があります。
- 検査結果をもとに、治療効果が期待できる薬剤を投与しても、十分な治療効果が得られない場合があります。
- 効果が期待される薬剤が見つかっても、そのがんに対して保険で承認されていなかったり、国内での入手が難しい、参加可能な治験が存在しない等の場合があります。
- 本検査は、がんに罹患しているかどうかを調べるための検査ではありません。
遺伝性乳癌卵巣癌症候群について
遺伝性乳がん・卵巣がんとは?
「乳がん」や「卵巣がん」や「前立腺がん」や「膵臓がん」患者さんでは、比較的高い割合で遺伝継承する場合があります。特に多くおられるのが遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC)で、原因遺伝子はBRCA1あるいはBRCA2という遺伝子です。乳がんや卵巣がんや前立腺がんや膵臓がんの家族歴がある方、お一人で複数回のがんを経験されている場合などは特に、遺伝カウンセリングを受けることをお勧めします。
BRCA1とBRCA2遺伝子検査 / リスク低減手術
BRCA1遺伝子やBRCA2遺伝子に遺伝子変異があると、乳がんや卵巣がんや前立腺がんや膵臓がんなどにかかるリスクが高くなります。
当院では、BRCA1とBRCA2遺伝子に変異があるかどうかを遺伝子検査で調べることができ、この検査は条件を満たす一部の患者さんへは保険適用となります。保険の条件を満たさない方へは、自費診療で遺伝子検査を提供できます。
さらに当院は、保険の条件を満たす一部の患者さんへ、保険適用のリスク低減手術(RRSOやRRMともいいます)を提供できる施設です。
BRCA1とBRCA2遺伝子の検査で、乳がんや卵巣がんや前立腺がんや膵臓がんにかかりやすいとわかった場合、がん予防についての正確な情報を知ることが早期のがん発見と治療につながります。当院の「がん予防・遺伝カウンセリング外来」や「遺伝カウンセラー外来」をご利用ください。
リンチ症候群について
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