地方独立行政法人 栃木県立がんセンター地方独立行政法人 栃木県立がんセンター

English

精神腫瘍科

特長
担当疾患
常勤医師

特長

がん患者さんの心の問題に取り組む

がん患者さんの心の問題に関心が払われるようになったのは比較的最近のことで、よく見られるのは「不安」「抑うつ」「せん妄」と言われています。しかしこれらは気付かれにくく見過ごされることが多いと言われています。なぜならがんに罹患しているのだから「落ち込んだり」「いろいろ心配 になる」のは仕方がない、当たり前のことと考えられてきたためです。しかしながら、実際には、がんだから当たり前というものではなく、がんに伴う症状として場合によっては治療により治る可能性があるものです。がんは体の病気ですが心にも大きな負担がかかるため、その負担を軽くして安定した心の状態を維持することが療養には大切です。このようにがん患者さんの心の問題を扱うのが当科です。
歴史的には1977 年米国のメモリアル・スロンケタリングがんセンターに精神科部門が設置されたのがその始まりと言われ、それは心理学(Psychology)と腫瘍学(Oncology)を合せて精神腫瘍学(Psycho-Oncology)と言われています。 日本では80年代からがん患者さんの精神的問題への介入が始まり現在に至っていますが、精神腫瘍医の数はまだまだ少ないのが現状です。
2018年3月に見直されたがん対策推進基本計画の中でも、「国及び地方公共団体は、引き続き、患者とその家族の状況に応じて、がんと診断された時から身体的・精神心理的・社会的苦痛等に対する適切な緩和ケアを、患者の療養の場所を問わず提供できる体制を整備していく必要がある」と述べられており、がん患者さんの心の問題への対応は今後ますます重要になると思われます。
その一環として外来診療とは別に月・水曜日の緩和ケア病棟のカンファレンスと、水曜日の緩和ケアチームのカンファレンスと回診に参加しています。

対象となる患者さんについて

対象となる患者さんは、当センターで治療中あるいは治療歴のあるがん患者さんで、何らかの精神的苦痛を感じていて自ら診療を希望される方です。前もって受診を納得していただいていることが重要です。

担当疾患

  • がん患者さんに見られる代表的な疾患
  • 適応障害
  • うつ病
  • せん妄 など
  • ご家族のサポート
  • 子どもサポート
  • グリーフケア(ご遺族の心のケア)

常勤医師

北林 佳晃

精神腫瘍科 科長

北林 佳晃

きたばやし よしてる

専門分野・実績

獨協医科大学卒

認定資格

日本精神神経学会認定精神科専門医