内視鏡センター長からごあいさつ
内視鏡センターは、「がん専門病院」の内視鏡検査・治療を担う部署として、医師、内視鏡技師、看護師が一体となった専門性の高いチーム医療を目指しております。十分に経験を積んだ検査医が最新の機器を使用することにより、高精度の診断、治療をご提供しております。また治療方針については、最新のエビデンスやガイドライン、国内外の研究成果に基づいて院内のカンファレンスで決定しており、その内容を患者さんに十分にご理解いただいた上で、納得して治療を受けていただけるよう心がけております。
昨今、内視鏡治療が体に負担の少ない低侵襲な治療としてクローズアップされておりますが、実際には病変の性質(部位や大きさなど)によって技術的な難易度が著しく異なるため、「手術ではなく内視鏡で治療可能な病気」というのは医師の技量に大きく依存します。我々は、安全性にも配慮した上で、十分な経験と知識に基づいて技術的に難易度が高い病変に対しても内視鏡治療を積極的に行っており、その治療成績を学会・研究会等で公表することにより、その透明性を担保しております。他の病院で、内視鏡治療の難易度が高いとの理由で手術を勧められた際には、一度当センターにご相談いただきたいと思います。
また、近年増加している大腸癌に対しても、検査や治療を担当している我々が求められる役割は大きいと考えています。大腸癌の多くは小さな良性ポリープ(腺腫)から発育することがわかっておりますので、当センターではどんな小さなポリープで、将来がんに成長する可能性のあるものについては摘除することにしており、患者さんがその後に大腸癌になる確率を少しでも下げるよう努力しております。また、多くの施設では観察と治療の2回に分けて行うポリープ摘除を、ポリープを発見したその場で一期的に行うことにより、患者さんの負担軽減にも努めております。
このように当センターでは、内視鏡を通じて皆様の病気による不安や負担を軽減できるよう、全スタッフ一丸となって日々研鑽を積んでおります。どうぞ安心してご来院ください。
検査件数・治療件数・成績
〇上部検査件数
3191件
〇下部検査件数
1910件
〇内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術)件数
上部(咽頭、食道、胃、十二指腸)
118件(内視鏡的一括切除率100%)
下部(大腸)
34件(内視鏡的一括切除率100%)
ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
当院の大腸内視鏡検査について
国内では小さなポリープは切除しなくてよいとの意見もありますが、当センターでは、できる限り大腸癌を予防したいとの考えから、すべての腫瘍性ポリープを切除するようにしています。大腸ポリープは9割以上が外来で摘除することができます。治療後は出血する危険性がありますので、1cm以下のポリープで3日間、それより大きなものでは7日間程度の生活制限(運動制限、禁酒、禁煙など)をお願いしています。2cmを超えるような大きなポリープの場合、安全性を考えて4~5日の入院で治療を行う場合もあります。
チーム医療
当センターには消化器内視鏡技師資格を取得したスタッフがおり、日々新しい知識や情報を取りいれ、高度な技術を提供できるよう努めています。 患者さんの疑問や不安な気持ちに対し、苦痛の少ない検査や治療介助を心がけています。 また、安心して内視鏡検査を受けてもらえるよう安全管理・感染管理を徹底しています。 内視鏡検査に関して気になることがありましたら、いつでも声をかけてください。
「この病院で内視鏡検査を受けて良かった!」と思ってもらえるような病院を、内視鏡センタースタッフ一丸となって目指します!!