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がんセンターの外観と桜の写真がんセンターの外観と桜の写真

リンパ浮腫外来

リンパ浮腫外来のご案内

リンパ浮腫外来のご案内

当センターは、リンパ浮腫の外科的治療と専門的ケアの両方を有機的・効果的に行える全国でも数少ない施設です。

専門的技術の提供

リンパ浮腫外来は、リンパ浮腫に関する知識と高度な専門技術を持った医師と、リンパ浮腫の専門的ケアを学んだリンパ浮腫療法士が担当しています。

患者と共に取り組むリンパ浮腫治療

医療者からの一方的な治療計画ではなく、持続可能な方法を共に考えていくことを心がけています。Quality of life(生活の質)の維持や向上のために良好な状態が保てるようサポート致します。

-リンパ浮腫とは?

リンパの流れが阻害されることにより腕や脚がむくむことをいいます。乳がんや骨盤内のがん(子宮がん・卵巣がん・前立腺がんなど)の治療後に生じることがあります。
たかが”むくみ”とあなどってはいけません。ひとたび発症すると完治が難しく、放置すれば悪化の可能性があります。また、リンパ浮腫の腕や脚では蜂窩織炎(リンパ管炎)という発熱を伴う強い炎症を起こすリスクが高くなります。これらは適切な治療により改善が可能です。

〈国際リンパ学会による病期分類〉

0期:リンパの流れに障害があるが、浮腫が明らかではなく無症状の状態。
1期:むくみは挙上により軽減する。圧痕を生じる。
2期:挙上だけで改善することはほとんどない。圧痕が明らかである。
3期:組織が硬くなり圧痕は生じない。肥厚、象皮症、脂肪沈着など皮膚変化を認める。

リンパ浮腫第1期 リンパ浮腫第2期 リンパ浮腫第3期
1期 2期 3期
 
0期は無症状の時期ではありますが、悪化しない為のケアが大切です。
お気軽にご相談ください。

リンパ浮腫の治療

当センターではリンパ浮腫療法士によるセラピストケアとご自身によるセルフケア、そして超低侵襲手術をうまく組み合わせて治療を行います。ひとりひとりに合った治療のベストミックスを提供します。
 

リンパ浮腫の治療

1.最適な治療のご提案

外来では浮腫の診断や治療法の説明・手術の適否の判断などを行っています。浮腫の状態やお悩みに合わせて最適な治療方法の提案を、画像などを使用しわかりやすく説明をします。
 

最適な治療のご提案

2.リンパ浮腫のトータルケア

「スキンケア」「リンパドレナージ」「圧迫療法」「リンパエクササイズ」

「日常生活指導」は複合的治療と呼ばれており、リンパ浮腫の標準的治療法です。

Step1. スキンケア

リンパ浮腫の皮膚は乾燥しやすく、バリア機能が低下して感染を起こしやすい 
状態にあります。炎症を予防するためにもスキンケアが大切です。
清潔や保湿を心がけ、ケアをすることが大切です。

Step2. リンパドレナージ

外来ではセラピストによるリンパドレナージの実施と、ご本人やご家族によって自宅でも行えるセルフリンパドレナージ法の指導を行っています。

Step3. 圧迫療法 

状態に合わせて、弾性スリーブや弾性ストッキング、包帯などを用いて圧迫することです。良い状態を保つための大切な療法です。圧迫することでリンパ液の流れが促進され、再貯留を防ぎます。

スリーブ ストッキング 包帯
スリーブ ストッキング 包帯
 
外来では弾性着衣や包帯法の選択や採寸、着用法の説明など行っています。
上手に履きこなせるようにコツをアドバイスいたします。

Step4. リンパエクササイズ

関節や筋肉を動かす簡単な運動や体操は静脈やリンパ液の流れを促します。ウォーキングや水泳、自転車こぎや軽いエアロビクスなどもよいでしょう。
 

エクササイズの例
 

 肩回し運動  足首の底背屈運動  自転車漕ぎ運動
肩まわし運動

足首の底背屈運動

自転車漕ぎ運動

 
このような動きでもリンパの流れが促進されます。
 
弾性着衣や弾性包帯で圧迫した状態で行うとより効果的です。
疲労や筋肉痛が残らないよう、無理のない範囲で行うとよいでしょう。
ライフスタイルに合わせたエクササイズ法についてアドバイスします。

日常生活の注意点について

浮腫の悪化を予防するために、日常生活の中でも注意が必要です。
リンパ浮腫の管理は皆同じではありません。個々に合った方法をアドバイスしています。
複合的治療についての詳細は、外来受診時にご説明いたします。

3.きめ細かなセルフケアサポート

状態が安定し、セルフケアも行えるようになったら、ご自身でのケアが中心となってきます。
仕事や家事をしながら浮腫の管理をする事は、時に困難を感じる事もあるかもしれません。
ストレスを最小限で管理していけるよう、ライフスタイル
なども踏まえて、持続可能なよりよい管理方法を一緒に考えていきましょう。

4.最先端の超低侵襲・超微細手術

当センターでは標準治療として顕微鏡下リンパ管細静脈吻合術(LVA)を超低侵襲で行っております。
 

 最先端の超低侵襲・超微細手術


局所麻酔・小切開で行うため体の負担は非常に軽い術式です。術後の痛みもほとんどなく手術直後より歩行が可能です。

手術の様子1枚目
手術の様子2枚目
滞ったリンパの流れを近くの静脈にバイパスする手術で、圧迫療法やリンパドレナージなどと組み合わせて行うことでリンパの排液を改善します。

実際の治療例(左下肢リンパ浮腫)

実際の治療例(左下肢リンパ浮腫)
これらの治療によりリンパの排液が進むと浮腫が軽減します(効果には個人差があります)。
できるだけ浮腫を最小化して、それを維持できるようセルフケア・セラピストケアを継続します。

お悩みの方はご相談ください

お悩みの方はご相談ください

浮腫を自覚して不安な気持ちを抱えていませんか?
1人で悩まないでください。
よい状態が維持できるよう、私達がサポート致します。
お気軽にご相談ください。

栃木県立がんセンター 
リンパ浮腫/形成外科外来:月・水(午前)
リンパ浮腫外来:第1・3・5金曜日(午後)、第1・3火曜日(午前/午後)
リンパ浮腫ケア外来:月、火、水、木曜日
担当医:大西文夫(リンパ外科)・長島隼人(形成外科)
担当看護師:奥田奈々恵(リンパ浮腫療法士)

リンパ浮腫外来のご案内

受診をご希望される方へ

  • 事前に電話予約をお願いします。
  • 紹介状をお持ちください。
  • ケアが行いやすいようTシャツや短パンなどをご持参ください。

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