研究課題のご案内

研究課題のご案内

1.がんのトランスレーショナルリサーチ

臨床で生じた疑問を基礎研究の技術で解決し、逆に基礎研究の成果を新しい治療法の開発につなげるという、基礎と臨床の連携体制を構築する取り組みをしています。これを実現するために、大学、企業、病院などの様々な組織と協力して研究を進めていきます。
最新の研究技術を駆使して、腫瘍細胞の異常を幅広く観察します。さらに、転移や再発、治療抵抗性など、臨床上重要な現象の分子背景を調べます。研究技術は日々進化しており、以前は不可能だったことが、今ではできるようになっています。こうした新技術を活用して、臨床上の課題を解決します。
 
基礎研究と臨床の連携を強化することで、技術開発から臨床応用までの流れをスムーズにし、実際の医療現場に新技術を取り入れていくことを目指しています。

2.がんモデルの樹立と応用

患者さんから採取した腫瘍組織を使って、細胞株やオルガノイドを作成し、研究に活用します。こうして作られたがんモデルを用いることで、抗がん剤の効果を評価したり、遺伝子やタンパク質の解析を行ったりできます。このがんモデルは、生体内の腫瘍とよく似た特性を持っているため、抗がん剤の開発において、患者さんへの投与前にその効果や安全性を確認できるのが特長です。また、これらのモデルを活用することで、解析で発見したバイオマーカーや治療標的の機能を検証することも可能です。
 
こうしたモデルの活用を通じて、より安全で効果的な治療法や検査技術を開発します。