分野長ごあいさつ

研究所分子病理分野のホームページにようこそおいでいただきました。
 
令和6年1月1日に、栃木県立がんセンター研究所に分子病理分野が誕生し、初代分野長に着任しました。私は病院統括診療部病理診断科の科長も兼ねており、研究所分子病理分野と病理診断科は一体運営されております。病理診断科においては摘出検体に容易にアクセスでき、腫瘍の肉眼所見の観察から病理形態学的観察、臨床医とのカンファレンスを通じたディスカッションが日常的に行われ、病理形態学に裏付けされたリアリティーのある臨床病理学的知識を得ることができます。一方で、研究所分子病理分野には、こういった知識から発想される様々な研究に必要な実験機器が揃っています。この有利な研究環境を最大限に活かして、がん治療の“次の一手”を常に考える研究組織でありたいと思っております。
 
当分野で研究に従事するスタッフは病理医だけでなく、臨床医、理学博士号を有する研究者も属しており、それぞれががんに特化した研究を行っています。私どもは一貫性のある大きなテーマとして『がん患者の治療成績向上・予後改善に病理形態学を基盤にした研究からアプローチする』として、がんで苦しむ患者さんに少しでもお役に立てる研究を行うことをミッションとしております。当分野だけでは行うことのできないがんに関する研究は、積極的に他施設とも共同研究を行ってゆく所存です。また、栃木県唯一の栃木キャンサーバイオバンクとも連動しながら、がん患者の治療に貢献することに強い志を示す企業があれば積極的に共同研究を進めてゆきます。北関東の地である栃木県から、栃木県内はもとより、全国のがん患者の皆様に少しでも貢献できるように研究に邁進するつもりであります。

宇都宮市内から見える日光の山々 左から男体山(標高2,486m)、太郎山(標高2,368m)、大真名子山(標高2,376m)、小真名子山(標高2,323m)、女峰山(標高2,483m)

尾島英知の略歴

学歴
  • 1990年 旭川医科大学医学部医学科 入学
  • 1996年 旭川医科大学医学部医学科 卒業
  • 2006年 慶應義塾大学大学院医学研究科 入学
  • 2008年 慶應義塾大学大学院医学研究科 修了
職歴
  • 1996年 旭川医科大学附属病院 研修医
  • 1998年 旭川医科大学附属病院病理部 医員
  • 1999年 旭川医科大学病理学第二教室 助手
  • 2000年 国立がんセンター中央病院 チーフレジデント
  • 2001年 国立がんセンター研究所病理部 研究員
  • 2012年 国立がん研究センター研究所分子病理分野 主任研究員
  • 2014年 慶應義塾大学医学部病理学教室 准教授
  • 2024年 栃木県立がんセンター
  研究所副研究所長
  分子病理分野長
  統括診療部副部長
  病理診断科長
  臨床検査センター長
  バイオバンクセンター長
  国立がん研究センター研究所がんゲノミクス 客員研究員

1.主な学会・研究会の活動
  • 日本病理学会  認定医、指導医、学術評議員
  • 日本癌学会  評議員
  • 日本肝癌研究会
      評議員
      肝内胆管癌診療ガイドライン作成委員会実務委員
      肝癌追跡調査関連論文査読委員
      原発性肝癌取扱い規約 病理小委員会委員
  • 日本肝胆膵外科学会
      胆道癌取扱い規約委員会委員
  • 日本肝臓学会
      肝癌診療ガイドライン改訂委員会委員
      NASH診断ワーキンググループ病理医協議会
  • 日本胆道学会  認定医
  • 日本臨床細胞学会
  • 日本画像医学会
  • 肝血流動態機能イメージ研究会  幹事
  • 肝癌症例研究会  幹事
  • 日本臨床内科医会  専門医
  • The United States and Canadian Academy of Pathology (USCAP)
  • United European Gastroenterology (UEG) 
など
 
2.受賞歴
  • 2010年 日本病理学会 症例研究賞
  • 2019年 日本病理学会 学術研究賞
  • 2020年 旭川医科大学同窓会学術奨励賞
3.社会貢献活動
  • 日本病理学会医療業務委員会コンサルテーションシステム領域別チームメンバー(肝領域、胆膵領域)
  • 国立がん研究センターがん対策研究所がん医療支援部 病理診断コンサルテーション推進室 コンサルタント